パンクロック

ロックンロールよりも男臭いパンクロックもライブハウスではよく見ます。

パンクはロックの1ジャンルですが、音楽性以外にもメッセージ、ファッションなど違う部分も多く同列で語るのは乱暴すぎるかもしれません。 パンクロックはロックの派生として1970年代に産声を上げて以来、多くのティーンエイジに熱狂的な支持をされてきました。 勿論10代だけでなく20代、30代にも好きな人はたくさんいます。反体制だったり社会への不満を大声で叫ぶスタイルが若者の心を掴んだのでしょう。

今ではそれほど過激なメッセージ色の強いバンドは少なくなりましたが、当時のライブハウスでは喧嘩っぱやそうな強面な男供が ステージの上で観客を煽るように思想を伝達すべく乱暴に演奏をしていたそうです。 客席にはモヒカンやスキンヘッドの比率が高く、地下鉄(サブウェィ)では一時間に数人しか遭遇しないとしたら、 パンクバンドの出演しているライブハウスでは1分間に3人以上に出くわす位の遭遇率だったでしょう。

演奏者・観客共に派手なのはヘアースタイルだけでなく、服装(ファッション)もサラリーマンが仕事の時に着用するスーツや休日の普段着とは全く別物で、 革ジャンとTシャツ、ブーツとサングラスが標準装備でした。 今でもそうですが、見た目だけで「この人はパンクが好きなんだな」という雰囲気が伝わってくるような服装をしているのが特徴的かもしれません。 「今日は寒くはない天候だけど皮ジャン着てるってことはバンドやってるのかな?」と簡単に判別できることもあれば、 「スキンヘッドにタトゥー入れてて気合がビシっと込められているのはこちらの心にも届くんだけど、普通のメガネかけてるあの人はバンドマンなのかな?」と ちょっとわかりにくいケースもありますが、サーファーやアイドルの追っかけとはどことなく違ったオーラを感じることができるはずです。 たとえバイク乗りご用達のライダーズジャケットを着用していてもギターを担いで電車に乗っていればそれはバンドマン、 しかもパンク寄りということは慣れてきたらすぐに見破ることが出来そうです。

初期のロンドンパンクで有名なバンドといえばセックス・ピストルズ(Sex Pistols)、ザ・クラッシュ(The Clash)、 ザ・ダムド(The Damned))が四天王になるでしょう。

セックス・ピストルズはボーカルジョニー・ロットン、ギタースティーヴ・ジョーンズ、 ベース(2代目)シド・ヴィシャス、ドラムポール・クックのメンバーが良く知られており、パンクベーシストならシド・ヴィシャスの名前を聞いただけで 興奮状態になるくらい影響を受けているのではないでしょうか。 問題をよく起していたバンドだったこともあり当時の活動期間はそれほど長くはなく、またシド・ヴィシャスが若くして亡くなったこともあり 伝説のパンクバンドという位置づけをされていましたが、後に再結成を果たします。

ザ・クラッシュはボーカルがジョー・ストラマー、ギターがミック・ジョーンズ、ベースがポール・シムノン、ドラムがテリー・チャイムズの4人組で、 白い暴動(White Riot)、ロンドン・コーリング(London Calling)などの代表作があります。

ダムドのメンバーはボーカルがデイヴ・ヴァニアン(Dave Vanian)、ギターがブライアン・ジェイムス(Brian James)、 ベースがキャプテン・センシブル(Captain Sensible)、ドラムがラット・スケイビーズ(Rat Scabies)の4人で、 この初期メンバーから何度もメンバーチェンジを繰り返しながら現在も活動を続けている息の長いバンドです。

ほかにもクラス(Crass)、シャム69(Sham69)、ジェネレーションX(GenerationX)、ヴァイブレーターズ(The Vibrators)、 ザ・ジャム(The Jam)、ナインナインナイン(999)、エックス・レイ・スペックス(X-Ray Spex)、スキッズ(The Skids)、 ストラングラーズ(The Stranglers)などが1970年代のパンクシーンを賑わせていたので、ライブハウスで演奏していた当時の映像を探してみてもいいでしょう。

演奏テクニックはロックバンドほど高度ではなく、勢いやハートの方が大事です。 なので音楽学校で勉強してパンクバンドを組もうとするボーイ達は少数で、バイトをしながら牙を磨くパンクスの方が多そうです。