ガールズバンド

音楽のジャンルではありませんがバンドの形態としては確立されています。

ガールズバンドが意味するのは、メンバー全員が女性(ガール)だということです。 どんな演奏をするのか、楽器の構成やサウンドのルーツはどこかといった部分はこれっぽっちも関係なく、 女性だけで組まれたバンドならもれなくこの称号で誰からも呼ばれることになります。 この点には少しも妥協は許されず、10人のバンドメンバーのうちたった1人でも男性が入っていたらガールズバンドと名乗ってはいけません。 専門学校や商業高校、工業高校ではクラスに異性が数人しかいない偏った編成になりがちですが、 そのクラスが同性だけで埋まっていなければ男子クラス・女子クラスとはいえないのと同じ理屈です。 ライブハウスで目立つボーカルとギターとドラムは女性だけど地味であまり注目されないベースだけは男性、これも当然アウトです。 完全にガール一色でない限りはその他のバンドに分類されてしまうので、勘違いをしないように覚えておいてください。

ちょっと考えてしまうのはオカマだけのバンドで、見た目は女性だけど性別は男性だとどう扱えばいいのか困ってしまう解説者もいます。 たいていは「異色のガールズバンド」で落ち着くでしょうがこれが正しい答えなのか、異議を申し立てる人の気持ちもわかります。 さまざまなジャンルに細分化されて新しい血統も次々と生み出されている音楽なので、新時代にはゲイバンドにも新たな名称が与えられて みんなが認める呼び名も誕生するかもしれませんが、今現在では扱いに困る存在でしょう。

またガールズと頭に付いていますが年齢はあまり気にしないようです。 昔はガールズバンドだったけど結成から10年経ったしそろそろレディースバンドかな、という変化もありませんし、 平均年齢40歳の主婦で結成されたバンドでも音楽学校の女性教師が集まったバンドでも、等しくガールズバンドと呼ばれます。 本人達が「まだまだ心はガールよん」と思っていようがいまいが、他の呼び方が作られていないので仕方のないことです。 なのでライブハウスでスポットライトに浮かび上がるメンバーを見て「おいおい少女には見えませんよ、オカンに近いって」と思ったとしても、 彼女達の責任ではないのであまり責めないであげてください。

ちなみにガールズバンドとは女性だけであることも条件ですが、バンドというグループだということも必要条件に含まれます。 それぞれの楽器を担当するメンバーの集合体でなければそうとは呼べず、みんながボーカルやコーラス、ダンス担当だとバンドとはみなされず、 ガールズグループといった呼び方になるのも見逃せません。 コンサート会場やライブハウスではバックバンドを従えて自分達は歌声を披露するだけという女性グループは多いですが、バンドでないことは誰が見ても分かります。 メンバーが女性だけのミュージシャンならピンクレディー、スーパーモンキーズ、あみんなどがいますが、これらはガールズバンドではありません。

メジャーなガールズバンドはここ最近で急増しており、チャットモンチー(活動休止ですが・・・)、スキャンダル、そして紅白歌合戦にも 出場したSHISHAMOなどがいます。 でも、1990年頃のバンド全盛期だった時代に活躍していた名前のほうがみなさんもよく知っているかもしれません。 日本で一番親しまれてきたガールズバンドはプリンセスプリンセス(RINCESS PRINCESS)かと思いますが、 人気が出るまでに数年かかっており、デビューはなんと1983年とかなり昔のことだったようで、絶頂期にはレディーっぽくなっていました。 他にもゴーバンズ(GO-BANG'S)、ショーヤ(SHOW-YA)などが日本を代表するガールズバンドですが、彼女達がライブハウスやコンサート会場を賑わせていたのは 西暦2000年以前のお話です。